鷺谷政明の埼玉県外

人と被らない会話の小ネタ

一つの道で10を目指すか、三つの道で5を目指すか

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先日、学生時代の友人と電話で話していたときのこと。

彼は昔からなにをやらせても極めてしまう器用な男で、仕事も、ゴルフ雑誌のライターを務め、スノボーは大会に出場するほどの実力を持ち、冬になるとインストラクターの仕事をし、某大手メーカーがスポンサーに入るほどの腕前である。

 

残り3機でクッパに挑む

現在はフリーのカメラマンとして多くの企業から撮影の仕事を請けている。

しかし、彼は人生に絶望するほど日々に退屈さを感じていて、人生をリセットしたいと口にしていた。

彼は今の現状をこう例えた。

「マリオでいうとさ、残り3機しかないのにクッパ倒しに行くような。そんな感じなんだよね」

と。

「だからもう、リセットボタン押したくてしょうがない。常にリセットボタン探してるもん。そんな毎日だよ」

「めっちゃ愚直だな」

「愚直かあ。そうかなあ。そんなふうに思ったことなかったなあ、一度も」

「だって俺ならクッパを回避して先に進む別ルート探すか、どうにかして機を増やす方法を考えるか、またはクッパと仲良くなっちゃうか、とか、そういう小ずるいこと考えるよ」

「…そう言われると確かに愚直だなあ」

「またはマリオ辞めてテトリスに変えるね」

「テトリスってさ、最後死にそうになるとき、ブワーってブロックが積み上がってきちゃうじゃん。そんな心境にも近いんだよね。そしたらどーする?」

「そしたら今度はドラクエか、グラディウスか、また別のゲームに変える」

「そうか…」

自分で言っていて嫌になるくらい私は小ずるいようだ。

器用貧乏

私は自分自身を器用貧乏だと思っている。

基本的にどんなことでも卒なくこなせる。

ただ飽きっぽく持続力がないので、4か5くらまで行ったらもう止めてしまう。

それに比べ彼は集中力が高いので、やることはどんなものでも7くらいまでは行ってしまう。

つまり、私よりはるかにレベルの高い器用貧乏である。

「でも、だから俺は撤退が遅いっていうかさ。頑張って7までは来たけど、それだけで安泰ってほどではないし。で、その時点で振り返ってみると、この時間無駄にしたなあって感じる」

「でも仮にさ、それを発信するとしたら、7まで行った人の話って、0~6の人の話よりは聞くよね」

「まあ…でも10の人もいるしさ。で、自分は10まで行けないって悟っちゃうと本当つまらなくなるんだ」

「7から10まで行く人って技術とかセンスじゃなくて、それこそその7までのスキルを活かしていろいろ自己発信して、新たな環境を手に入れて10に行くんじゃね?」

「うーん、そうだなあー」

「しかも具体的な目標の10があるわけでもないんでしょ」

「そうなんだよ。それが問題なんだよ。だから辛くてさ。でも10に向かうしかないっていうさ。現状」

「それ本当に残り3機でクッパ倒しにいくやつやん」

「たしかに…」

自己発信

彼にはネット発信を進めておいた。

おそらくこの男がネット発信をはじめたらあっという間にインフルエンサーになるだろう。

まず、彼はもともとライターだ。

紙媒体のライターはwebライターと次元が違う

どちらが上とか下とか決めつけるのは早計だろうが、やはり紙媒体は修正が効かない。

一度刷り上がって全国に配られたら取り返しがつかない。

だから文を書くということに対する真剣度が違う。書いてきた環境も違う。

そこで培われたライティング技術は間違いなく強いだろう。

それに奴が始めたらSEOだのなんだのもすぐに理解してしまうだろう。

そして、カメラマンだ。

結局、どれだけ面白い140文字のツイートより、一枚の美しい写真の伝播力は、早いし強い

その上、この男はイケメンである。

これだけ揃って、多くの分野の専門性を兼ね備えていながら発信をしないのはもったいない。

だから私はこういった。

「始める時、教えてね(乗っかるから)」

と。

きっと奴は私がその背中を見れないほどのスピードで先へ行ってしまうだろうから、最初から乗っかっておかないと。

いやむしろ、おんぶしてもらおう。