アメリカの女優アシュレイ・ジャッド(50)が、性的な要求を拒否したことが原因で仕事を奪われたと、ハリウッドの大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン(66)を訴えたのを契機に始まった「#metoo」運動は日本にも波及した。
ならあれは
これに違和感を感じた人は少なからずいると思う。
要するにこれは、自分の持っている権限を利用して、女性を好きなように扱う、ということ。
当然バッシングされるべき問題で、明るみになった今報道されるのはもちろんだけど、とすると、どうしても脳裏に「え、ならあれは…」という思いがよぎる。
なぜ、「あれ」、または「あれら」、は、一切伏せたままでやっているのかと。
絶対にテレビで報道できないもの、そしてその理由も、ネットを使える人なら誰もが知っている。
今はもう都市伝説が都市伝説じゃなくなってしまった。
大きな闇はしっかり横に置いておいて、「これはいったいどういうことですか!」と舌戦を繰り広げられても、ちょっと見かたが難しい。
報道する側の都合
もちろん、報道する側の都合も分かる。
それに、一人の人間の意志で「それ」は為されてるわけでもなく、AとB、BとCと、それが何層にも、長きに渡って繋がっているから、具体的に「誰の何がダメ」と、一つを抽出することは現実的にも難しい。
ざっくり言うと、芸能界もアメリカは個人プレーで、日本は組織プレーだから、「それ」が組織でおこなわれていたりすると、挙げるのが困難。
だから仮に内部の人間だったとしても、「それ」はいくつにも枝分かれしているはずだから、全貌をつかむのは容易ではない。
特にこういう性的な行為は密室で行われるものだし、お互いがどういう了見と前提でそういったことに至っているかを明瞭化するのは大変だ。
報道番組のスタッフの中には、きっと真実を伝えたいと思っている人もいると思うけれど、それができる手段はない。どこか警察組織のそれとも近い。
また、山口達也の件でも触れたように、
我々はどこまで知るべきか。
芸能界はやっぱり夢を売る仕事だし、今なお我々も芸能人にたくさん夢をもらっている。
好きなミュージシャンとか俳優とか、感動した映画とかドラマとかは誰にでもある。その裏側を本当に知るべきだろうか。
やっぱり世の中には知らないほうがいいことというのはあるのかもしれない。
「彼ら」はそれを守りながら、こっちはこっちでうまいことやってんだよ、ということなのかもしれないけど、ただそんな心情が一遍でもあると、一連の報道されているmetooとかセクハラ問題の見かたがちょっと複雑だ。
「あの男」の反撃開始
アメリカのプロデューサーの一件を、ブラッド・ピットの制作会社「プランB」が映画化することになった。
ここでブラピの会社とは、待ってましたと言わんばかりの適任。
実はブラピは、以前交際していたグウィネス・パルトロウがハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ被害を初めて受けたときに付き合っていた彼氏。
アメリカの雑誌「ピープル」によれば、ブラピはグウィネスの告白に激怒して、ワインスタインに立ち向かったという。
「ブラッドは彼に顔を近づけ、胸を押して”グウィネスに二度とあんなことをするな”と告げていた」「ブラッドはまた同じことをしたら、報いを受けるだろうと言っていた。こんなことが二度と起きないようブラッドはワインスタインに警告していたし、実際にそれは二度と起きなかった」という。
当時のブラピは映画『セブン』に出演し、さあこれからという俳優。
その矢先に業界の大物プロデューサーに楯突くというのは相当の覚悟が必要だったはず。
まだブレイク前だったブラッドにとって、大物プロデューサーのワインスタインに立ち向かうことは「とても大きなリスクだった。でもブラッドはハリウッドでワインスタインに対して歯向かい、言い返した数少ない男性のひとりだった」と関係者は話している。
きっとブラット・ピットは以降、目に見えない圧力を相当受けていたのではないかと思われる。
ここでワインスタインに楯突いていなければ、もっと大きな仕事を山程手にしていたのではないだろうか。映画ファンなら分かると思うけど、実際ブラット・ピットはあの技量を持ってして、もう一つ俳優として突き抜けきれなかった感がある。
だからブラット・ピットは変わらないハリウッドの体質に嫌気がさし、ある時からプロデュース業に回り、根本から変えてやろうと思ったのかもしれない。
ちなみに、前妻であるアンジェリーナ・ジョリーもワインスタインからの被害を告白している。
とうとうブラット・ピットの反撃開始。
日本にもこういう人がいたらな、と少し思ってしまった。