5月23日、新曲のプロモーションで日本テレビ「スッキリ!」に出演した長渕さんは、新曲「Dont twink twice」を披露したのち、もう一曲披露した。
その曲が、今回ネットで話題になった「青春」だ。
この歌は2007年に長渕剛さんがTOKIOに提供した歌。
歌う前に交わされたやりとり
春菜「そして今回、もう一曲歌ってるくれるということなんですけど、なにを歌って頂けるんでしょうか…?」
長渕「えっとね、2007年にね、TOKIOに書いた歌を歌おうと。青春っていう歌」
加藤「これは、なんで…?」
長渕「なんか歌いたいなと思って」
加藤「(TOKIOへの)エールっていうのもありますか?」
長渕「あるね(^o^)」
スッキリ!で変更されていた『青春』の歌詞
「我慢がならないその一瞬の為に」→「我慢がならないけど風はやがてやむ」
「優しさが欲しいだけです どうかわかってくれよと」→「優しさなんか期待しない 君が優しくなればいい」
「どうかわかってくれよと」→「今は夕焼けにただ泣けばいい」
「死にかけた青春が一匹飛んでいく」→「決して青春は一匹じゃ死なない」
「信じるのさ永遠と未来と明日を」→「信じるのさ仲間と汗と自分を」
これは完全にTOKIO山口達也へ向けたエールだと取れる。
歌の後に交わされたやりとり
春菜「今回スッキリバージョンということで、歌詞をちょっと…?」
長渕「2番の歌詞を少し変えましたね。(TOKIOへの)メッセージもあるし、自分の歌なんでね、その時代や、歌いたい目的に合わせて歌詞はどんどん変えますね。よくステージでもやります」
加藤「(最後に)見てらっしゃるみなさんになにか一言頂けますか」
長渕「また、じゃあ…しっかり届いたかな?しっかり届いたかな?」
「また、じゃあ」と一瞬口ごもったのは、「TOKIO、またそのうち…」というニュアンスが出かけたような気がした。
『青春』を歌った背景にあるもう一つの騒動
これは事実かどうかの信憑性は分からないが、2009年に、こんな記事がネットで出回った。
かなり誇張はされてると思うけど、これはつまり要約すると、TOKIOに提供した曲を自分でも歌おうとしたら(セルフカバー)、ジャニーズサイドに「止めてくれ」と言われた、という話。
これ、自分の経験則で、一個だけ「正しいかも」と思うのは、ジャニーズは、基本カバーはNG。
ジャニーズの歌は、別の人が歌ってはいけないのだ。
これにはもちろん、例外も多い。
山崎まさよしの『セロリ』や、スガシカオの『夜空ノムコウ』など。
明確な定義は分からないが、この例外枠の基準はなんとなく分かるような気はする。
結局、この騒動の経緯は分からないが、2009年、長渕さんがリリースしたアルバム『FRIENDS』には、『青春』のセフルカバーは収録されていた。
つまり長渕剛もまた、例外枠となった。
もし、こういった揉め事があったとしたなら、長渕剛サイドとジャニーズサイドで、一悶着あった曲でもある。
皮肉にもその曲が、この一件でTOKIO及びファンの心を優しく包み込み、わずかな希望の扉を開けたことは違いない。
ここで歌われた『青春』は、すごくコンパクトにまとめられてたから、もしかしたら出演時の条件として、「短めにやるからもう一曲やらせてほしい」と、希望を出したんではないかと思う。あくまで憶測だが…
ギター一本というスタイル
ギター一本での弾き語りスタイルというのは、準備が自分一人だけで行えるので、非常にフットワークが軽い。
東日本大震災の時も然り、いかようにもスタイルを変えて演奏することができるのだ。
表現者が表現者たる、究極のスタイルといえる。
長渕剛のすごさ
しかしまあ…よく早朝の生放送にたった一人で出てきて、のちに物議を醸し出すであろう、あれだけの立ち回りができるものだ。
そもそも弾き語りなんて、間違えればごまかしようがない。自分が動きを止めれば全部ストップするわけで。
それにあの、『青春』を歌い終えたあとのカメラ目線のあのウィンク。
ターリーがどこにあるか瞬時に見定め、ウィンクを送っている。
ターリー…スタジオ等で、どのカメラの映像が記録中(放送中)かを、出演者やスタジオスタッフに知らせるために、カメラやモニターの上につけて点灯させる赤いランプのこと。
しかし冷静に考えてみれば、それもそのはず、このスタジオにいた誰よりも長くテレビに出続けている男が、この長渕剛という男だ。芸歴が違う。
もう40年以上前からテレビで弾き語りで歌い続けてきている。
これくらいは何のこなしにやってしまえるのだ。