鷺谷政明の埼玉県外

人と被らない会話の小ネタ

こんな時どうする?「親切」とはなにか

f:id:sagitani_m:20180524160308j:plain

電車に乗っている。

座席が空いていたので座った。

ほどなくして目の前にご老人が立った。

荷物も持っているし重そうだ。

さて、この時どうするだろうか。

座席を譲るのが親切か

スッと立ち上がって「どうぞ」と譲るべきだろう。

しかし。

中には「いえ、大丈夫です」というご老人もいらっしゃる。

というか、最近、断る人のほうが多い気もする

確かに昨今の高齢者は元気だ。少なくとも60代を老人と称してはダメそうだ。

もちろん、相手が妊婦さんや怪我人であるなら問答無用で譲るべきだろう。

しかし、「見た目から察するに、高齢者だな」というだけで、病気をしているわけでも身体が不自由なわけでもない相手に、「どうぞ」と席を譲るのが、必ずしも「親切」という二文字に直結しないケースがある。

断る、ということは、極端に言えば「老人扱いして、失礼な…」と、相手を不快にしてしまいかねないということだ。

ではどうすべきか。

座席の譲り方

私が実践している座席の譲り方は、次の駅に着く頃に、席を立ち上がる、というもの。

つまり、自分は次でもう降りるから、もう席を立ったと。

それなら、座席を譲った、ということにはならないから、座る座らないは、ご老人が判断できる。

肝心の自分はどうするか。

実際は、その駅は自分の目的地ではないので、本当に降りるわけにはいかない。

しかし、本当に降りてしまう。

そして、すぐさまその電車の違う位置から乗り込むのだ。

これであれば誰も傷つけず、親切を実践できる。

「親切なことをした」ということは、本来誰かに知ってもらう必要はない。

人知れずやればいいことなのだ。

しかし。

この方法の唯一の欠点は、次の駅に到達するまでが遠い場合、結構な間、そのご老人を立たせたままにしてしまうことになる。

お釣りが1円足りない時言うべきか

スーパーに行く。

欲しいものを手に取りレジに向かう。ずいぶん混んでいる。店員も大変そうだ。

自分の番が来て、会計を済ます。

「203円のお返しです。ありがとうございました」

買ったものを持って、袋に入れる。受け取った小銭を確認してみると、202円だった。

1円足りない。

この時、「あの、1円足りませんけど」とあなたは言いに行くだろうか。

レジは行列だ。

そこで「1円足りませんけど」と言いに行こうものなら、レジのデータを確認するところから始めるかもしれない。そうすると、そのレジはいったんストップするかもしれない。

「1円くらい、いいや」とその場を立ち去る。

しかしもしかしたら、その1円の誤差で、レジにいた店員さんは閉店作業後、怒られるかもしれない。

銀行では、1円ずれるだけで、全員帰れなくなることもあるという。

スーパーは銀行ではないが、それが10円だったら。100円だったら。

親切とは

親切という言葉の由来は、「切実に(とても)親しくする」ということ。

どうすることが相手にとって一番親しむかは、一概には言えない。

その時、その場所、その状況、そして、時代によっても変化するから、結局は、自分の中で、これがベストかな、と思う方法を選択するしかない。

例えば、レジになにか言いに行く時にしても、自分の見た目がサングラスに髭でスキンヘッドで、完全にそっち系の服装をしていたら、なにか言いに行くだけで、相手にものすごい威圧感と恐怖感を与えるだろうから、相当な笑顔が必要だ。

その笑顔さえも、やりすぎるとさらに怖くなるから大変だ。