広瀬香美さんが事務所を独立した。
しかし事務所はそれを認めていないようで、「広瀬香美」という芸名の使用を止めるよう呼びかけている。
能年玲奈の「のん」と似た状態であろうか。
広瀬香美3つのすごさ
王道を突き進めるところ
この人のすごさを分かってる人は意外と少ない。
広瀬香美さんと言えば『ロマンスの神様』をはじめアルペンCM曲のイメージが強いと思うが、この人のすごいのは、なんといっても王道を突き進めるところにある。
創り手は常に変化したがる傾向があるが、この人は自分の領域から決して外れず、受け手の期待を裏切らない。
期待は、裏切るより応えるほうが何倍も難しい。
キーのレンジの広さが歌唱力ではない
広瀬香美さんの歌のうまさは、「高音がすごいよね」くらいにしか思ってないと思う。
確かに若い頃のレンジの広さはすごいが、それだけなら他にもいる。
この人の歌唱力は、感情の込め方にある。
あえて崩したニュアンスをポイントで入れてくるんだけど、それがこの人は本当に巧み。
これがうまいのは、系統は違うが、日本だと長渕剛さんがそうだ。
ライブバージョンのような歌い方をCDテイクに入れてくるし、それでいてピッチやリズムが狂わない。
だから曲にドラマ性が生まれ、多くの人のハートを掴む。
作家性
この人はシンガーソングライター。
つまり作詞作曲もおこなう。
愚直な歌詞と思われがちだけど、生活圏内にあるものを歌詞に散りばめて、見事に詞として叙情的に昇華させている。
広瀬香美の知られざる過去
作家志望だった
広瀬香美さんは、もともとは作家志望で留学していた。
Wikipediaにもこうある。
日本の国立音楽大学作曲学科に通いながら、ロサンゼルスにて、マイケル・ジャクソン、ダイアナ・ロス、ホイットニー・ヒューストンのヴォイス・トレーナーであるセス・リッグスに師事。国立音楽大学作曲学科卒業後も、ロサンゼルスでトレーニングしながら、作曲家を目指す。
これは推測だが、多くの女性がそうであるように、広瀬香美さんもまた、ルックスにコンプレックスを持っていたように思う。
おそらく、自分が矢面に立って歌うなんて、とんでもないと思っていたのではないだろうか。
しかしその圧倒的な歌唱力に、レコード会社は彼女をスターにのしあげた。
スキー場に行ったことなかった
広瀬香美さんの曲を聴けば誰もがスキーに行きたくなるし、スキー場でかかればテンションもあがる。
日本の冬を盛り上げた立役者である。
しかし以前NHKで、「広瀬香美スキー場に行く」、みたいな番組を見たことがある。
それはすでに数々のヒットを出した後のこと。
実は広瀬香美さんは、それまで一度もスキー場に行ったことがなかったそうで、寒いのも大の苦手なんだとか。
スキー場に通い、冬を感じ、曲を生み出していたのではなく、冬の名曲を作り続けたのだ。
(広瀬香美さんは和歌山生まれの福岡育ち)
広瀬香美独立騒動
そして現在、広瀬香美さんは独立したようだが、レミオロメンの藤巻亮太氏とは違って、事務所と話し合いが済んでしないようである。
事務所が運営している公式サイトに、はかなり強めの文章が書かれている。
広瀬香美は本日を持ちまして、すべてのアーティスト活動を休止いたします。
即ち、株式会社オフィスサーティー所属アーティストとして「広瀬香美」の芸名で活動しておりました石井麻美は、2018年5月28日付でインターネットにおいて「新たな事務所に移りました」等と発表しました。弊社に事前の相談もなく、一方的な「独立宣言」を発表され弊社スタッフ一同、大変困惑しております。
「広瀬香美」は弊社代表取締役である平野ヨーイチが命名した芸名であり、「広瀬香美」の芸名の使用権限は、弊社及び平野ヨーイチに帰属しており、弊社所属アーティストとしての活動以外には、「広瀬香美」の芸名を使用できません。それ故,広瀬香美は本日を持ちまして、すべてのアーティスト活動を休止いたします。
みなさま長きにわたりご声援戴きありがとうございました。
これを見る限りは、ちょっと今後も揉めそうな様相である。
早くまた、その歌声を届けてほしい。
そしてまたこの文も、広瀬香美のすごさを的確に綴ることはできなかった。