私はあまりSNSでストレスを感じない。
5年ほど前よりFacebookをはじめ、昨年よりTwitterの運用を7年ぶりに再開し、実名に変え、そこから約一年やっている。
※現在はFacebookにはログインもしなくなってしまったため、少しでもスマホを軽くしようとアプリをも消してしまった
みんなはSNSでストレスを感じることがよくあるそうだが、私はあまりない。
フォローして見ない
SNSというのはよくできていて、「繋がってはおくけど見ない」という選択肢ができる。
人間社会においてとても重要な「建前」。
SNSはこれを実践できるように作られている。
私はFacebookでほとんど「非表示」を使っていた。
その人自体は好きでも、その人の投稿に関心がなければ、見ないでいいわけで、「非表示」にする。
Twitterでも同様で、「ミュート」を使う。
そうすると自分のTLには一切出てこない。
占いはいいことだけ信じる
気が強い人はなんでも見て、なんでも受け止めればいいと思う。
そうでなければ、わざわざ気分を害すものを無理して見る必要はない。
私は占いはいいことだけ信じる。
「精神衛生上」という言葉があるが、結局、なんでも重く受け止めすぎて心が疲弊してしまうくらいなら、見なければいい。
日本はどうせ負ける
2018年のサッカーワールドカップ、ベルギー戦、これをどう観るかというのは実に難しい問題であった。
通常であれば、「決勝行っただけでも御の字。あとは当たって砕けろ」というのがこれまでの日本代表だ。
しかし、コロムビアに勝ち、セネガルに引き分け、ポーランドには戦わずして勝つ戦略で決勝トーナメント進出を勝ち取った。
これまでとは明らかに違う日本。
2つの見かた
見かたとして、ここで2つの選択肢がある。
A 「決勝行っただけでも御の字。あとは当たって砕けろ!」
B 「絶対に勝ってくれ!応援するぞ!」
というもの。
精神衛生上は、「負けて当然なんだから全力で行こう」という、いわばAのような見かたのほうがいいだろうと思われる。
Bで臨んだ場合は、負けたあとの精神的リスクがあまりに高い。
しかし、だ。
1つの見かたしかなくなった
後半、日本が先制点。
さらに追加点。
この瞬間、観るもの全てが強制的にBにされた。
Aという選択肢がなくなってしまったのだ。
前半であればまだ違ったかもしれないし、1点だけであればまた違っただろう。
ペナルティエリア内のファールでPKをもらっての加点でも違うだろう。
しかしこの2点は、明らかに実力で押し込んだ見事なゴール。
この瞬間、誰もが勝利を夢見た。
プロならまだしも、この状況下でAという見かたができる一般人はまずいないだろう。
録画で観たほうが良かった説
そこからまさかの逆転負け。
接戦の折り、2点も先制してた日本が、後半約20分ちょいで、3点も連続でやられるとは誰もが思わなかった。
強制的にBに切り替えられた人たちにとっては、
1億円が当たって、何週間も待ちに待って、ようやく手元に現金1億円が届いたと思ったその瞬間、燃やされて灰になってしまった
という感じだろうか。
その落胆たるやすごい。
しかし、このベルギー戦の見かたには、もう一つの選択肢がある。
A 「決勝行っただけでも御の字。あとは当たって砕けろ!」
B 「絶対に勝ってくれ!応援するぞ!」
C 「録画しといて、結果だけニュースで見る」
というもの。
Cという選択をした人からすれば「1億円当たりかけたんですが、無理でした」と後から教えられるので、さほどのショックはない。
まあ人生そんなもんでしょ、と達観視さえできるだろう。
もしかしたら今回は、Cという選択が、精神衛生上は一番、良かったのかもしれない。
「とんでもない惨劇を見ることになるから」という神様の配慮で、午前3時台だったのかもしれない。
これがコロムビア戦のように、「もし21時台だったら」と思うとゾッとするのは私だけではないはずだ。
リアルタイムで観た人の人生訓
ただ視聴率は、深夜3時にも関わらず、平均視聴率は30%であったという(瞬間最高視聴率は42%)。
ワールドカップ2018日本代表戦 視聴率
日本 - コロムビア戦 48.7% / 55.4% 21時~NHK
日本 - セネガル戦 30.9% / 37.1% 24時~日本テレビ
日本 - ポーランド戦 44.2% / 54.0% 23時~フジテレビ
日本 - ベルギー戦 30.8% / 42.6% 27時~NHK
※平均 / 瞬間最高
結局、たくさんの人がこの辛い惨劇を目撃してしまった。
B 「絶対に勝ってくれ!応援するぞ!」
という、非常に精神的リスクが高い状況下で。
私はこう思った。
これは今後、日本に訪れる辛いできごとの前兆なのではないかと。
それを乗り越えるための試練なのではないだろうかと。
イチローの言葉
壁というのは、できる人にしかやってこない。
超えられる可能性がある人にしかやってこない。
だから壁がある時はチャンスだと思っている。
これはイチローの言葉であるが、今回の日本代表の負けは必ず4年後のワールドカップに繋がる負けであった。
そして、これだけ批判され、さほど注目さえされていなかった日本代表がベスト8に手が届く夢まで見せて奈落の底に突き落とすこのシナリオは、日本人を今一度鍛えようとしているのではないかと思う。
やがて来る悲しいできごとを乗り越えるための強さを持つために。
リアルタイムと録画組の違い
今回のベルギー戦をリアルタイムで観た人は、かなり精神的ショックが大きい。
そもそも朝方での放送時間であったし、翌日以降の仕事にも支障をきたすだろうし、具合が悪くなる人さえいてもおかしくない。
一方、朝ニュースで知った人たちは精神的ショックはかなり少ない。
夜もしっかり寝て、仕事に支障をきたすことはないだろう。
しかしリアルタイムで観た人たちは、とんでもない興奮体験を得られたということと、そこから突き落とされるジェットコースターのようなきつい経験を得た。
スポーツ観戦のいいところは、どれだけ辛い事実であっても、それを全員で共有できるので、全員で成長できることだ。
そしてなによりこのニュースである。
誰よりも精神的ダメージが大きい、選手たちのこの対応だ。
我々が下を向いていられるわけがない。
日本代表から、日本の心を学び、立つ鳥跡を濁さず、さらなる高みを目指して飛び立っていくということを教えてくれた。
これが心に響くのは、リアルタイムで観ていた人だけなのだ。