椎名林檎と宮本浩次のコラボ曲、『獣ゆく細道』でMステーションに出演した二人。
静と動
立ったまま淡々と歌う椎名林檎に対して、横で暴れるように歌う宮本浩次。
ファンからすればいつものミヤジ大先生であるが、やはり椎名林檎との異色コラボということもあってか、宮本浩次初体験の人も多かったようで、ネット上では「なにこの人www」といった声も多く見受けられた。
エレカシファン椎名林檎
椎名林檎は、当時のエレカシ最新作『昇れる太陽』を好きなアルバムとして2009年、フジテレビの番組で挙げていたが、そのもっと前からロッキング・オン・JAPANなどでよくエレカシの名を挙げていたので、古いファンのようである。
今回のコラボは、2017年の紅白歌合戦に出演した際に、椎名林檎から宮本浩次へオファーしたのがきっかけになっているそうだ。
また、この記事にも書いたが
宮本浩次の天才性が顕著に表れるのは、檻に閉じ込めた時。
東京スカパラダイスオーケストラとのコラボも良かったが、とにかくこの人には表現の制限を与えれば与えるほど、その真価を発揮する。
「明日以外すべて燃やせ feat.宮本浩次」Music Video+インタビュー/ TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA
元凶は忌野清志郎
宮本浩次のパフォーマンスが衝撃的に見えるのは、ぶっ飛んだミュージシャンが現代において少なくなってきたからに違いない。
宮本浩次世代の人間にとっては、テレビに出る人間というのはムチャクチャな人ばかりで、彼らの青春時代には、テレビは完全におかしい人たちの巣窟であった。
音楽界、ロック界においてその筆頭が忌野清志郎だ。
生放送でメディア批判
いくつもの伝説を残してきた忌野清志郎さんの放送事故で必ず挙がるのが、タイマーズ、FM東京事件。
生放送音楽番組で、自分たちの曲を放送禁止扱いにしたFM東京に対して「馬鹿野郎」「政治家の手先」「気持ち悪いラジオ」「お◯◯こ野郎」と徹底的に歌でこきおろしたあの事件だ。
こういった風景を多感な時期に見てきた当時のロックキッズたちにとって、忌野清志郎という人の残像が消えることはない。
宮本さん自身も、忌野清志郎さんに比べれば、たいしたことは別になにもしていないという感覚もあるはず。
そんな宮本浩次に魅せられた現代のロックキッズたちもまた、きっと将来音楽界を盛り上げてくれるに違いない。
ロックの遺伝子は決して消えることはない。