確実に芸能界は華やかな世界ではなくなった。
昨今、次々とアイドルが卒業という名の引退を続けているところを見ればわかる。
ただ、芸能界が華やかでなくなったから、彼女らがすぐに辞めていくと考えるのは早計である。
順に考察してみたい。
広告収入の落ち込み
まず華やかでなくなったという点。
これはまず、広告収入が落ち込んだことでの芸能界への収益低下が要因として挙げられる。
事務所に落ちる金が目減りすれば、タレントの取り分も当然減少する。
そうなると当然タレント業は「割に合わない」仕事になってしまう。
音楽業界の落ち込み
次に音楽業界の低迷がある。
これはアイドルなど音楽産業に携わる職種が一番影響を受けるが、音楽CDビジネスは完全に凋落した。
興行収益とグッズ収益はまだ安定しているが、音楽という収入源がなくなったのはどう考えても痛手だ。
SNS発信がマストという精神疲労
また、昔と違うのはSNSの存在だ。
昔に比べ今はアイドルは近くの存在になった。
圧倒的なパフォーマンスにだけに磨きをかければよかった昭和の時代と違って、今はSNSでファンとうまくコミュニケーションを取る必要があるし、仮にその積極性がなくても雑音は多い。嫌でも目に入ってくる。
多感な時期の女性にとっては目を覆いたくなるような罵詈雑言が連日飛び込んでくる。
この心労は一般人には想像を絶する。
誰でもステージに立てる敷居の低さ
そしてもう一つ。
芸能界への敷居が低くなったため、本来は人前に出るような素質じゃない人間でもステージに進出できるようになった。
そのため、悪く言えば分不相応の居場所に身を投じることになり、いてもたってもいられなくなってしまう。
すがりつくほどの精神や、それほどまでの情熱があったわけではない。
新しい形のスター
以上の要因が絡み合えば、そこに長居しないのは賢明の判断と言えるだろう。
ただそうなると、今の時代にあった人気者も出てくる。
YouTuberがその際たる例だが、あくまで狭いコミュニティ内でのプチスターが量産される。
今や一万人もフォロワーがいればインフルエンサーになれる時代。
若い女性であれば、一万人フォロワー獲得はさほど難しくない。
男性であっても、なにかを教えられる見せ方を貫けば難しくない数字である。
メディア、フィールド、ステージがこれだけ分散すると、人の繋がりはいよいよ希薄になってくる。
今後時代に求められること
希薄になってくると求めるのが人間の習性で、広く浅い世の中になったからこそ、深く狭い関係性を求める。
一昔前に比べて、アイドルを始めとした若いタレントの入籍が早くなってきてることも頷ける。
結局はこの深い関係性をどう構築するかに、最後は帰結していくのだと思われる。
コミュニケーションが気軽になった現代だからこそ。