鷺谷政明の埼玉県外

人と被らない会話の小ネタ

「金スマ」で判明した志村けん・いかりや長介確執の新事実

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芸人といえば、M1などの賞レースに出て結果を残し、そのあとは様々な番組のひな壇やネタ番組などにも出演しながら冠番組を狙うというのが、1つの正規ルートだ。

ドリフとサザンオールスターズ

しかしその昔、それこそ漫才ブームが起きる前のお笑い芸人の活躍の場所は今ほど少なく、「お笑い芸人」という明確なポジションはなかった。

それよりは、「演芸枠」であり、古くは落語があり、大道芸があり、そして漫才やコントがあり、音楽もまたその1つであった。

お笑いの歴史に興味がある人は、こちらも併せて読んでいただきたい。

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ドリフターズはもとはバンドである。コミックバンドだ。

これで本当にいい曲を作って、ミュージシャン、アーティストと扱われるようになっていったのがサザンオールスターズだった、といえばわかりやすいかもしれない。

桑田佳祐さん自身も、最初のTV出演時、「ただの目立ちたがり屋の芸人でーす!」と発言していたが、音楽とお笑いが好きな大学サークルノリだったんだと思う。

『勝手にシンドバッド』はドリフでやっていた志村けんさんのギャグからだし。その曲が平成最後の紅白歌合戦で締めくくられたことは感慨深かった。

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桑田さんはいかりや長介さんから、ガチでドリフ新メンバーに誘われていたという話があるし。

確執は報酬体系

その昔、演芸の主戦場は舞台であったが、ここにTVが入ってきた。

そこでスターだったドリフターズを見た志村少年は、いかりや長介に弟子入り志願し、高校三年の時から約7年間付き人として下積みを続け、荒井注さんの脱退時に、見習いとしてドリフターズに加入した。

芸歴も年齢も一番下っ端だった志村けんさんが、のちに全てをひっくり返していくことになる活躍ぶりはもはや書くまでもないところだけど、そんな志村けんさんといかりや長介さんの確執について私なりの考察を。

志村けんさん、加藤茶さんがこれまで様々な番組で語っていた言葉から推測するに、確執というのは、お金のことだったんだと思う。

ドリフターズの営業や出演費など、いかりやさんはかなり多めに受け取っていたと言われていて、それに対しメンバーが少し不満を持っていたと。

お金はどこでも確執の原因に

ただ、これはミュージシャンも含め、どんなグループやコンビでもあることで、特段珍しいことではない。

バンドなんかも、作詞作曲者だけがどんどん金持ちになって、共に歩んできたメンバーとの貧富の差が激しくなり、軋轢が生じ、ギスギスしてきて、「方向性の違い」という理由で解散する。

もっと言えば、これは芸能界に限らず会社員でもあることで、「なんであいつがそんなにもらってんの?」という経験なんて、誰もがあるだろう。上司や部下や同僚でも。

ただ、そういった問題につき肯定も否定もしてこなかったため、メディアがいろいろ書き立て、いつしか確執とされてきたんだと推察される。

裏を返せば2人の確執は、どのグループや会社員にでもある、そんな程度のもので、精神的な結びつき、師弟関係が壊れるようなそれではなかったのだろう。

志村けんさんはその後さらなる活躍で、そんなこと気にならなくなるくらい、相当なお金を稼いでいっただろうし。

神回だった「金スマ」

先日の金スマの放送で、いかりや長介さんの長男の言葉によって明らかにされた事実は、お笑いファンならずとも、かなり興味深いものだった。

いかりや長介さんは志村さんの番組を欠かさずチェックし、志村さんと話した何気ない会話を家族に披露するなど、実にリアルなエピソードであった。

そして、一番象徴的だったのが、最後のドリフターズの収録現場での出来事。

いかりや長介さんと志村けんさん最後の共演となったシーンだ。

これは、偶然近くのスタジオに居合わせていた浜田雅功さんが立ち寄っていたことでも有名だけど、このとき、いかりや長介さんはこの日のことを「みんな足並み揃えないんだよ全く。…でも、志村だけがピッタリ合わせて来たんだよ」と家族に話したという。

この話には衝撃を受けた

最後のドリフのシーンは私も何度も見ているが、それには全く気づかなかった

なるほど、確かに改めて見てみると、志村けんさんだけが、いかりや長介さんにピッタリと足並みを合わせているのがわかる。

映像では足元までは映っていないが、見た感じ、左右の足まで合っているようにも見える。

志村さんはこのことを

「リーダーですからね。そのちょっと後をついて行くっていうのはずっとやってきましたから、もう癖になっているんでしょうね」

と話していた。

これぞ師弟関係だ。

この映像は、それを知った後で見ると、それぞれの個性が出ていてとても興味深い。

周りを気にせず1人自由気ままに言ってしまう加藤茶さん。加藤が行くならいいだろう、と出て行く高木ブーさん。適度にいかりや長介さんに合わせながらも、先に行く加藤さんを見て、間を取ろうとする仲本工事さん。そして、師匠いかりや長介さんに歩幅までぴったり合わせる志村けんさん。

これはお笑いファンにはたまらない、衝撃映像だ。

検索すれば動画も出てくるので、ぜひ見てみてほしい。

私は、この場に浜田雅功さんが居合わせていたというところばかりに感心がいってしまっていたが、甘かった。ここまでは気付かなかった

これこそが、いかりや長介さんが感じていた「ダメだこりゃ」だったんだろうし、その中でも「志村だけがピッタリ合わせてきた」と嬉しそうに語る情景が目に浮かんだ。