その昔、上岡龍太郎さんと笑福亭鶴瓶さんによる「パペポTV」というフリートーク番組があった。
当時まだ私は幼かったためうる覚えであるが、大人になって、よくYouTubeで見ている。
名作「塚本7km」
この番組は、理路整然とした上岡龍太郎さんと、話をどんどん散らかす笑福亭鶴瓶さんの掛け合いが魅力である。
数々の名作があるが、とくに注視したいのは、ファンなら誰もが知ってる名作「塚本7km」というトークだ。
youtubeで「塚本 7km」で検索すれば出てくるので見て欲しい。
塚本7kmの謎
さて、このトークを見て、「上岡龍太郎さんおもしろい」となるであろうか。
かといって、「笑福亭鶴瓶さんおもしろい」となるだろうか。
少なくともこの動画は、どちらかがおもしろいというよりも、この二人がおもしろい。
そして、この二人がおもしろいの根源は、二人の認識のずれにある。
おもしろさとは
このトークは、「塚本7km」という認識のずれ、ただその一点から起きているおもしろさである。
もちろん、二人はプロフェッショナルであり、一般人とは素養が違う。
しかし、このトークのおもしろさの根源は、認識のずれから来る揉め合いだ。
つまり、おもしろさとは、なにかがずれた時に起こるのである。
そもそもこの二人の組み合わせ自体がずれているから、こういったずれた会話が繰り広げられ、数々の名作が生まれていった。
ずれとは
しかし人は、ずれを嫌う。
一致させたがる。
どんな人間でも、きっちり、きれいに、整頓させようとする。
しかし、おもしろさの魅力がこの「ずれ」にあるとすれば、もしかしたらどこか身体に違和感があるものを選んでみるということもいいのかもしれない。
人間関係や恋愛においても、人はなるべく自分と一致する相手を選ぶ。
だからこそS極とS極でうまくいかないのかもしれない。
S極とN極、凸と凹。
一致とは、ずれとずれが重なり合ってはじめて一致するものであり、最初のずれなくして、一致は起こり得ないのかもしれない。