鷺谷政明の埼玉県外

人と被らない会話の小ネタ

有吉オールスター後夜祭ブチ切れは島田紳助パロディ

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2018年10月6日に放送されたオールスター後夜祭で、MCの有吉弘行さんがハナコにブチ切れする一幕があり、視聴者を騒然とさせた。

事件はCM明けに起きた

放送序盤のCM明け、回答者席にまで入っていった有吉さんはハナコに掴みかかり、音声は拾っていないものの、口元を見る限りでは「ブチ殺すぞこら!」と言い放っているように見えた。

回りの芸人らの静止を振り切り、掴みかかろうとする有吉さんだったが、不満げな表情なまま司会席に戻り、その後もしばらくハナコを睨みつけるシーンがあった。

元ネタは東京03恫喝事件

もちろんこれはシャレ。

元ネタは、2009年に起きた東京03恫喝事件。

「オールスター感謝祭」は元々島田紳助さんが司会の番組で、2009年の放送時、シルク・ド・ソレイユがパフォーマンス中に回答者席にいた東京03のところまで行き、なにか小競り合いをしているような模様がわずかに映し出されてしまった。

その間、同じく司会者である島崎和歌子さんが、少し離れた回答者席にいた西川きよし師匠をその現場に連れていく様子もわずかに映った。

島崎和歌子さんとしては、激昂した島田紳助さんを止められるのは、西川きよし師匠しかいないと考えたのだろう。

英断であったが、きよしさんがなだめても紳助さんの怒りは収まらず、東京03に掴みかかっていたが。

島田紳助さんが当時ここまで激昂したのは、本番当日、挨拶がなかったからとされている。

当時の証言者

オール巨人

この事実を明るみにしたのはオール巨人師匠。その後すぐブログで

「コメント欄で、紳ちゃんが若手に詰め寄ってたって書いてはりましたが…何か少しカチンと来たのでしょうね。でも大丈夫ですよ、少し怒った後に打ち上げも一緒に行って最後は握手をしてハッピーエンド。朝・メールで堪忍してやって! と、打ったら【実は長文でしたが】少し怒って堪忍したって。あんたの優しさに感謝!って来ました。…良かった良かった」

と投稿。

当時まだ「いったいあれはなんだったのか?」という視聴者の疑問を、このブログの投稿で「あれは事実だったんだ」と決定付ける結果となった。

ちなみにオール巨人さんは島田紳助さんより年は4つ上であるが、同期。

明石家さんま

放送一ヶ月後の「踊る!さんま御殿」にゲスト出演した東京03に対して、明石家さんまさんが「話しても大丈夫よ。お互い悪くないねんから」と聞くと、「いえ、僕らが悪いんです」と返答。

「お前らは挨拶したつもりやったんやろ?」と確認すると、東京03は「人数が多かったので(行っても失礼かと思って)」と答えていました。

島田洋七

2017年の『バラいろダンディ』で、楽屋への挨拶というテーマの議論中、出演者の水道橋博士さんが、感謝祭の事件以来、挨拶しなければならないという風潮になったと話すと、島田洋七さん

「紳助の場合、(東京03と)何回も会ってアレやったから言ったらしい。楽屋の前でも会って、トイレのとこでも会って、本番中でも目が合って怒った。紳助、(彼らのことを)そんな知らんもん。何かないとさ、いきなり会って、ワーっ! とはいかへんやん。それなら紳助ただのノイローゼやで」

と事情を説明。

何度も顔を会わせていたのにも関わらず挨拶がなかったことで、本番中に怒りが爆発してしまったそうだ。

ビートたけし

この事件のあと、ビートたけしさんは東京スポーツのコラムで、このことに言及。

紳助が「あいさつがない」とかって若手の東京03ってのを怒ったもんだから、出番前にタレントがいちいちオレんとこにあいさつに来て、うるさくてしょうがないよ。オレ、出番前は結構寝てんだよ。それなのにいろんなヤツがいちいち、「よろしくお願いします」って。紳助のせいでオレまでひどい目に遭っちゃってるよ。オレんとこは、あいさつ禁止にしようかな。「あいさつ来たら、タダじゃおかねー」って。紳助の逆に出ようかな。「オレの顔見ても、絶対何も言うんじゃねーぞ」って。とにかく、あれ以来、うるさくてしょうがないんだよ。

有吉パロディの説明がなかった理由

この事件をオールスター後夜祭が自らパロディにするというのが非常に面白い。おそらく、当時のお偉いさんとかもいなくなって、これからを担う若いTBSスタッフで構成している(?)からできた芸当なのかもしれない。

また、その後まったく説明がなかったことを

説明がないのがシュール。若い人は何がおきたか分からないだろうけど、分かるやつだけ分かればいいというスタンスが最高だった

という声がネット上に多く見受けられた。

確かにその後なんの説明もオチもなかったので、一部の若い人たちは、本当に有吉さんが激怒したと思った人もいたらしい。

下手すると、島田紳助さんが司会をしていたということも知らない人もいるため、「説明なしかよ!本当に放送事故かと思って焦ったよ!」という人もいて、その一方で、説明しない潔さを褒め讃える人もいるが、よく考えてほしい。

説明できるわけないだろ。

「はい、以上、島田紳助さんの東京03恫喝事件のパロディでしたー」

と言えるわけがない。

東京03恫喝事件は本当の放送事故だったんだから。

ディティールの良さ

このパロディで一番良かったのは、キング・オブ・コントで優勝したてのハナコに掴みかかったところ。

元ネタは、同じくキング・オブ・コントで優勝したての東京03に掴みかかる島田紳助さん、という構図だったので、そこが完全に再現されていたところが美しかった。

どちらも3人組で、芸歴が浅い若手で、キング・オブ・コント優勝直後で。

ただ1つだけ気になったのは、CM明けからいきなり掴みかかっていて欲しかった

キュー明けで動き出すわずかな間があったので、CMが明ける数秒前から始まっているようなリアリティを求めてしまうのは私だけだろうか。

あれはディレクターがもう少し前から開始させておくべきだった。

最初にネタにしたのは東の将軍「石橋貴明」

この件をネタにした有吉さんへの賛辞で今ネットは話題だが、実はこれを最初にネタにしたのはとんねるずの石橋貴明さん

東京03が「みなさんのおかげでした」に出演したときに、「挨拶せえやこら!」と掴みかかるシーンがあった。

当時も「さすが石橋貴明!」と、このことをネタにできるのはタカさんくらいしかいないと話題になった。

ちなみに、この現場には当時再ブレイクし始めの有吉弘行さんがいたのだ。

お笑いDNAが連鎖した瞬間を見れて、実に楽しい時間だった。

石橋貴明と島田紳助が喧嘩?

ちなみに、その後も石橋貴明さんは紳助さんの引退をネタにするようなことをしていたため、それに激怒した紳助さんが、石橋さんのケータイに電話してきて激怒したということが一部の週刊誌などで報じられたが、おそらくそれはないのではないかと思う。

まず島田紳助さんは、兼ねてからとんねるずの名前を番組内でよく出している。

27時間テレビの「さんま・中居の今夜も眠れない」に出演した際に紳助さんは「こいつ(さんま)は、変なこというて、とんねるずも揉めさしよった」とか、松紳では「食わず嫌いとか俺出てみたいねん」と普通にお話されているし、石橋貴明さんも最近の「石橋貴明のたいむとんねる」で、太田光さんをゲストに迎え、お笑いブームを語る場面で「(当時)紳助竜介さんとか…」と名前を挙げている。

実際のところはもちろんわからないが、報じられていることが全て真実だとも思わない。