フジロック史上、最大の大物といえるボブ・ディランが、2018年7月29日(日)19時頃、グリーンステージに降臨する。
前代未聞の「裏なし」
フジロック2018最終日のタイムテーブルはこのようになっている。
ジャック・ジョンソン、MISIAと聴いて、ボブ・ディランだなんて、贅沢過ぎる夢の時間だが、このタイムテーブル、よく見るとあることに気づく。
そう、ディランがステージに出ているときは、他の主要ステージは全て稼働ストップするのだ。
つまり、ディラン降臨中は誰も演奏しないということ。
最終日の19時台という、フジロックのゴールデンタイムであるにも関わらず、だ。
こちらのサイトでも話題であるが、こんなことはフジロック史上前代未聞であるという。
ディラン裏なしの理由
ディラン側の意向?運営上の都合?フジロックの忖度?
先のサイトでもさまざま意見が取り上げられていたが、これはおそらく
出演者も全員ディランが見たいから
ということに違いないだろう。
出演者もディランが見たい
現に、初日のROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA (feat. 仲井戸”CHABO”麗市、甲本ヒロト、奥田民生、トータス松本)で、甲本ヒロトさんはオープニングからディランの『Don’t Think Twice It’s All Right』を披露し、仲井戸”チャボ”麗市さんもディランの『Hurricane』を披露。
最後のエディ・コクラン『C’mon Everybody』でも、ヒロトさんが
リストバンドは取れないように山の天気は変わりやすいぜ
楽しもうぜ3日間 楽しみだぜボブ・ディラン!
カモン・エブリバディ!”
と歌っている。
外国人アーティストもディランが見たい
日本アーティスト以上にディランを見たいのが、フジロックに出演している外国人アーティストであろう。
ボブ・ディランの評価は日本よりも海外、つまり世界のほうが圧倒的に評価が高い。
ディランが出ている時に「裏でやって」と言われて「OK!」と答える外国人アーティストはいないだろう。
スタッフもディランが見たい
これだけのアーティストたちを、ギターを手にした頃のロックキッズに戻らせてしまうのだから、当然、音楽に関わる仕事をしているフジロックスタッフたちも見たいに決まっている。
この時代におけるボブ・ディランのライブというのは、楽しむだとか観戦だとかでなく、目撃なのだ。
新たに作られる歴史の目撃者になれるところにいれば、プロの制作スタッフ魂を捨ててでも、ロック魂を守るために仕事を放棄するだろう。
彼らもまた、制作スタッフに就職する以前に、ロックに就職しているのだから。
台風もディランが見たい
フジロック民を困惑させている台風12号の進路。
なんともおかしい進路ではないか。
これも確実に、台風12号もディランが見たいということがわかる。
また、初日にチャボがディランの『ハリケーン』を演奏したことも、起因しているだろう。
『雨の日の女』たちと男たちは、『はげしい雨が降る』中で、台『風に吹かれて』、『嵐からの隠れ場所』を探す
ようにディランのライブを楽しむだろう。
ボブ・ディランをフジロックではじめて見る人へ
そうなってくると、ボブ・ディランの演奏中に他ステージに誰かを登壇させるというのは、出演者、スタッフ、そしてオーディエンス、全てにとってよろしくないというわけだ。
であれば、ディランの裏なしは当然と言える。
そして、フジロック2018において、ボブ・ディランを初めて見るという人たちに言っておきたい。
なんのこっちゃわからないと思います。
おそらく、フジロックに行くようなロックファンは、きちんとLIVE前にYouTubeなどでディランを下調べしていくだろうけど、
どれだけ下調べしても無駄です。
ボブ・ディランは原曲のアレンジを一切変えてくる。
歌い方も声の出し方も、演奏のしかた、アレンジ、挙げ句の果てには歌詞まで変えることも。
ベテランのファンでも、なんの曲を演奏しているのか簡単にはわからない。
なのでもし退屈に感じたら、あたりを見回してみてほしい。
そこら中に有名人がいます。
私は二度、お台場zeppのディラン来日ライヴに行ったが、有名人だらけだった。
ものすごい有名人を、ものすごい至近距離で見ることができる。
それだけの多くの有名人、著名人らを1オーディエンスにしてしまうのが、ボブ・ディランという生ける伝説、その人なのだ。
ボブディラン「Like a rolling stone」はなぜ伝説になったのか / BobDylan