「身内ネタはつまらない、うざい」「内輪ネタは入れない、寒い」
とよく言われる。
これはなにかを発信するとき、プロモーションの世界においても、
「身内ネタじゃダメだぞ」
とはよく言われる言葉である。
お笑いにおける身内ネタ
お笑いが顕著であるが、学校でおもしろいと評判の学生がテレビに出てきて同じことをしても、視聴者は笑わない。
テレビに出て視聴者を笑わせられないのであれば、その学生は「お笑いのセンスがないやつ」とされる。
もちろんどんな世界にもレベルはある。
学校のマラソン大会で一位であっても、県大会、全国大会に出れば、やすやすと一位は取れない。
学校の人気者程度であった人間が、テレビという大きなフィールドで大人数を笑わせられるかどうかは、その実力レベル次第ではある。
身内ネタの打開策
身内ネタじゃダメ、ということに気づくと、普通の人はこう考える。
「広くみんなに笑ってもらえるお笑いを考えよう」
と。
もちろん、これは正しい。
信頼関係も面識もない相手を笑わせる方法を考える。
間違っていない。
しかし、もう一方の思考法が一つある。
それが、「全員を身内にしてしまう」という方法だ。
全員を身内にし天下を取った人
学校の人気者は、その校内で人気者になることができた実力者ではある。
それは、学校という自分のフィールド、つまり、身内相手だから、笑いを生み出すことができた。
であれば、視聴者全員を自分の身内にしてしまえばいいのだ。
それを完璧に実現しスターダムにのし上がったのが、とんねるずである。
とんねるずは全国放送というフィールドにありながら、帝京高校の部室でやっていたような笑いをそのままやってみせた。
スタッフいじりは、部の後輩いじりのそれと同様であり、当時我々は「ニューテレスちゃんとやれよ!」といった発言を聞いて「ニューてレスってなんだろう?」と子供心に思ったものである。
つまりとんねるずは、視聴者全員を身内にしてしまったのだ。
そうすることでとんねるずは益々勢いを増し、20代にしてスーパースターとなった。
とんねるずのすごさ
とんねるずの芸は、二人の突出した魅力だけでなく、スタッフや制作陣、技術さんらとの連携関係で生まれるチームプレーであり、全体芸である。
つまり、スタッフを、笑いの共犯者にしてしまうのだ。
そして視聴者も共犯者にしてしまう。
とんねるずのようなコンビが現れない理由はここにある。
この技は、どれだけ漫才の腕を磨いてもつかめない芸当だからだ。
発想の切り替え
身内を笑わせられる実力があったのに、突然広い笑いを求めることで、せっかくの素養を殺してしまうということは多々ある。
身内ネタは良くないが、かといってそこまでやってきた自分と、笑ってくれていた身内の感覚を疑ってはいけない。
その感覚を信じ、あなたの回りを全員身内にするように発していくことが大事なのだ。