今日本で一番おもしろいコント師である。
東京03 天才
検索ワードに「東京03」と入力して「天才」というサジェストワードが出てこない世の中はおかしい。
すでに全国区だし、チケットは取れないし、公式YouTubeも全て人気だ。
それでもかなり過小評価されていると感じる。
東京03過小評価の理由
東京03の過小評価は、彼らが今のテレビで活躍しにくい側面にある。
現代のバラエティー番組で芸人が活躍するには、コメンテーター、クイズ回答者、ひな壇、本音トーク、毒舌、MC業、このあたりが求められるが、東京03がそれらに相応しいとは、素人目にも思えない。
東京03と双璧をなす唯一の存在
現在で東京03に唯一双璧をなすのはサンドウィッチマンだ。
ちなみに、サンドウィッチマンもまた、現代のテレビフォーマットに合うタイプではない。
しかしその好感度の高さからCMの起用が増え、少しずつ司会業も増えてきた。
これは、サンドウィッチマンに合う番組フォーマットを作るディレクターが出てきたことを意味する。
おそらく今後、東京03フォーマットの番組を作る人も少なからず出てくるだろう。
実際、さとふるのCMはディレクターが東京03のファンであったため、東京03ありきで本を書いたという。
ただ個人的には、あのCMは東京03の良さは活かしきれてないとは感じる。当然、CMにつき様々な制約ありきなので、ここで小言を言うのはやめておこう。
東京03の凄さ
1.演技力
東京03の凄さを語る上で欠かせないのは、圧倒的な3人の演技力だ。
ドリフターズがそうであったように、おそらくこの3人もまた、どんなテレビ番組やドラマに出ても平然とやってのけるだろう。
舞台出身の役者が強いのは、客前でずっとやってきているからに他ならない。ミュージックステーションでタトゥーが出演をドタキャンしても、放送が予定以上に盛り上がったのは、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTが代役を務めたからで、予定外でもすぐに対応できたのは、彼らがライブバンドであったからだ。
ドリフターズに関しては、それを毎週板の上で、テレビの生放送を兼ねてやっていたわけだから、彼らがどんなところでも活躍できるのは当然といえる。
特に角田さんは、今後もっとドラマに出て欲しい。
2.日常感
東京03のコントは、人間のちょっとした恥じらい、切なさ、淡さ、このあたりをネタにするのが本当にうまいと感じる。
このあたりは松本人志さんや内村光良さん、古くはビートたけしさんのコントにも通ずるし、志村けんさんのNHK『となりのシムラ』もそういった要素が強かった。
3.角田晃広の天才感
基本どのコントもおもしろいが、やっぱり角田さんが炸裂しているときのコントは絶品である。
今公式からアップされている中で上げるならこの3つ。
東京03 - 「余裕」 ／ 『第14回東京03単独公演「後手中の後手」』より [English subtitles／中文字幕]
これはずば抜け。半端じゃない。笑いがもう止まらない。
これ見て笑えない奴とは絶対に友達になれない。
東京03 - 「20年来の友人」／『第17回東京03単独公演「時間に解決させないで」』より
非常にシンプルな設定なところがいい。
それゆえに、天才・角田晃広が炸裂する。
東京03 - 「ステーキハウスにて」 ／ 『第19回東京03単独公演「自己泥酔」』より
どのコントも、飯塚さんが角田さんを遊ばせるあたりも魅力であるが、このコントもまた、かなり角田さんのアドリブをあえて広げているような箇所が多く、おもしろい。
ちなみに、東京03公式チャンネルの動画は定期的に刷新されるので、見れるうちに見ておいたほうがいい。
東京03結成の経緯
東京03は、飯塚さんと豊本さんがやっていた「アルファルファ」というコンビに、トリオの「プラスドライバー」の角田さんが入った形で完成する。
どちらも解散（活動休止）の時期が同じで、それなら、ということで始まったそうだが、プラスドライバーではリーダー的存在であった角田さんが、東京03の中心的存在である飯塚さんの手中に入ることで、その天才的才能を爆発させたのだと思う。
面倒なことは極力飯塚さんに託し、天才・角田晃広は自由な翼を得た。
飯塚さんが一番年上という点や、ネタを書く存在であるところ、そして、決して出過ぎない豊本さんの性格等々も全て良い方に出た。
ビートたけしさんはかつて、このように話している。
「横山やすしさんが天才漫才師っていうのは間違いないけど、それはあくまで西川きよしさんあってのこと。それ前は何度もコンビ解散してるんだから」
どれだけの才能も、開花するかしないかは、環境によって左右するのだ。
日本のコント師たち
古くはドリフターズに始まり、シティーボーイズ、とんねるず、ウッチャンナンチャン、昨今では、バナナマン、ロバートなど、稀代のコント師には標準語が多い。
特に、日常をベースにしたコントという観点では大阪弁だと「コント感」が出てしまう。
そこをいわゆるコテコテに仕立てたのが吉本新喜劇であるが、漫才を制したダウンタウンはコントの世界でも大阪弁で制した。
そんなダウンタウンという特例を除いては、全体的には関東勢のほうがコントは優勢と感じる。
東京03躍進のきっかけとなったキングオブコントも全て視聴しているが、歴代チャンピオンと比較しても、東京03だけは別格だ。
東京03の今後
とんねるずの石橋貴明さんは「こいつらテレビじゃなくても全然戦えるんだ、って思わせられるのは強いよ。なんかあったらテレビなんか止めてやるよって言えるスタンスはさ」とラジオで話されていた。
東京03は、A-studioに出演した際「コントだけでずっと食べていけるよう、ギャラは全て折半にしている」という。
そう、東京03にとってテレビは副業でいいと思う。本業はあくまで板の上のコント師。
でも角田さんのドラマはもっと見たい。テレ東深夜系がいいと思う。または渡辺いっけいさん的ポジションが合うと思う。
これからもずっとコントを見ていたいし、いつかは自分もライブに足を運びたい。
昨今の若手で言うと、コントは四千頭身がずば抜けている。この間キングオブコントに出ていなかったので、審査員のセンスを疑う。
ネットに存在する謎のコント師「アドリブ音声コント」も気になるところではある。
これからも、もっともっと笑いたい。